お父さんが亡くなった日の夜、不思議な夢を見た。
時間帯は少し暗くなりかけた夕方で、古い時代の田舎の町のような場所。
もうすぐ祭りが開催されるような雰囲気で、大勢の子供たちがはしゃいでいる。
田舎っぽい服や浴衣を着ている子供たちががらくたを持ってこじんまりとした神社かお寺の境内にぞくぞくと列を成して集まっている。
一番印象に残ってるのは便座を持ってる子供。
変なお祭りだなあと思いながら、私は町をうろうろしていた。
そうしてたら、私たち家族が昔住んでいたような家にたどり着き、そこでお父さんを見かけた。
私はびっくりして「お父ちゃん、生きてたん?」と尋ねるとお父さんは満面の笑みを浮かべて「○○さんとどこそこへ行っててん、これから○×さんとどこそこへ行くねん。」って答えた。
そう聞くとすごくホッとし心の中で良かったなあとつぶやいていた。
その後懐かしい家から離れて、まあまあ急な坂をゆっくりと私は下っていった。夜なのに明るくて花火でも打ち上がっているようなどんちゃんさわぎの町風景。
坂道でも大勢のにぎやかな子供たちとすれ違った。
すこし道が広くなった場所でお兄ちゃんに会った。「お父ちゃん生きてたで。」と報告するとお兄ちゃんは「兄ちゃんもおうたで。」と言い、「何か言ってた?」と聞くと「皆に迷惑かけてすまんなあ。今回だけは堪忍なあって言ってたわ」と言った。
今回だけの「だけ」ってお父ちゃんらしいなあと私は感じていた。
お兄ちゃんに会った後、お父さんが「山崎のおっちゃんはけしからんなあ。」と言っていた事を思い出した。
もう少し坂を下った場所から、にぎやかで明るい町並みを見上げて「ほんま、楽しそうやなあ。」と感じたところでその夢は終わった。
注釈:「山崎のおっちゃん」というのはお父さんの叔父さんで、お父さんが病んでるときにお父さんの所有物を持ち出し売りに行った人。その人は売ることをお父さんに報告していると言っていたけど、たぶんそれは嘘。